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2009年12月30日 (水)

「捨て童子・松平忠輝」

12月にはいって通勤時に読んでいた「捨て童子・松平忠輝」を読み終わった。
隆慶一郎はほんとに面白い。いつも思うことだが、登場人物のしぐさ、言い回しなどが司馬遼太郎によく似ている。いかにも人間臭い人物造型、文章の達者さ、ストーリー運びのうまさ。
歴史の教科書などには出てこない(?)松平忠輝が生き生きと描かれている。強くやさしく、型破りで自由奔放。もちろんこんな人間はありえない。「一夢庵風流記」の前田慶次郎を思わせる、つけ狙っている敵がいつのまにか人間的魅力に心酔して家来になってしまうところなど、これがこの作者の類型なのだろう。次郎右衛門、才兵衛などの脇役もまた魅力的だ。
史実ではなく小説なのだとわかっていても、もし秀忠の代わりに忠輝が二代将軍になっていたら、とつい考えてしまう。筆力というものだろう。
というようなことは、巻末の縄田一男の解説に言い尽くされているのであって、ことさらぼくが言わなくても名作は自ずから語るということか。

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