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2010年1月16日 (土)

「ほんとうの「食の安全」を考える」

特に目新しいことが書かれているわけではないけれど、必要なことがまとまっていて読みやすい好著。こういう本を多くの人に読んでもらいたいと思う。
ただ、内容がいいだけに惜しいと思うことも。一般向けの科学書にいえることだけど、こんなふうに数字がたくさん出てくる本がなぜ縦書きなのだろう。理数系の専門書や教科書はほとんど左開きの横組みなのに、一般向けとなると科学書でもたいていが右開きの縦組みになってしまう。五〇〇グラム×一〇〇×〇.〇〇〇三パーセントなんて縦書きに書かれたら読みにくくてしかたない。500g×100×0.0003%のほうがずっとコンパクトでわかりやすいのに。数式がひとつはいると売上げが10%下がるという話があるらしいから、ひょっとしたら一般向けの本は横書きというだけで売れなくなってしまうなんてことがあるのだろうか。
それと、特に前半にMRLだのADIだのアルファベットの略号が頻出するのもマイナスな気がする。漢字ならパッと見て意味がつかめるけど英字はそれができないので、どうしてもそこでつっかえるか読み飛ばすかしてしまう。
とはいうものの、タマネギが食品添加物だったらとか、二倍効果あるダイエット法とか、リスクベネフィットバランスでの天気予報と傘の話とか、随所に出てくる著者の工夫のたとえ話はうまく、なるほどと感心させられた。授業で使えそう。
でも、本気で一般向けに売ろうとしたら帯のキャッチコピー、地味すぎやしないか。光文社新書だったらなんて書くだろうと思ってしまう(笑)。科学系出版社の限界なんだろうか。いくら正論でも読んでもらえなければ何にもならない。はびこるテレビのエセ科学バラエティ番組に勝つのは容易なことではないんだよな。

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