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2010年2月28日 (日)

「龍臥亭幻想」

★★★★☆。冒頭からはじまるおどろおどろしい過去の惨劇。ミステリでも推理小説でもなく、往古の探偵小説の香りが立ちのぼる。横溝正史か島田荘司か。読んでいてわくわくする。場面は変わって現代の同じ龍臥亭近辺。そこで起こる不可解な人間消失事件。そしてバラバラ殺人事件。過去の怨霊の再来か、100年の時を経て復活した鎧武者が悪者に鉄槌を下す。なーんて、これではキャッチコピー書く才能はゼロだな。
これに先だつ「龍臥亭事件」の内容はほとんど忘れているけれど、それを知らずとも読んで十分楽しめる。ノベルス判上下2冊の長さをまったく感じさせない。あっという間に読める。長くても中だるみしていないのはさすが。なんてことはない登場人物の方言たっぷりの会話がユーモラスで楽しい。二子山と日照のかけあいなんて秀逸だ。こういう細部もうまいなあと感心する。そしてこれが事件解決編にも関係しているところがまたすごい。
人間消失トリックは意外だったな。ぼくはまた山全体が回転するんだと一瞬思ってしまった。島田荘司ならやりそうだし。最後の犯人と死体復活トリックは読んでいくうちにすぐわかってしまうけれど、これは犯人当てをする物語ではないだろう。人間として命をかけてやらねばならないことがある。そして、悪は滅び、正義は勝つ。いやあ正義派の面目躍如だ。
下巻に「御手洗潔と吉敷竹史!」とあるので、ついに両雄が相まみえるのかと期待したけれどそれは違った。まあそれほどの大きな謎ではないということか。御手洗は電話で真相を喝破し、吉敷はちらっと現場に現れて同じくたちどころに解答をあたえる。まったく千両役者というか、二人ともかっこよすぎ。
ところで凡人はひとつ質問。脱衣所の油絵の謎は結局どうなったのだろう...。

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