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2010年2月12日 (金)

「厭な小説」

★★★★☆。これは昨年5月の刊行と同時に入手していたもの。「知りませんからね読んで後悔しても」と帯に銘打った一読後悔必至の怪作。というのに恐れをなして今まで積んでおいたわけではない。多少はそれもあるかもしれないけれど、楽しみにとっておいたという方が当たっているだろう。先月京極夏彦の新作を入手したので、おおそうだあっちを先に読もうと取り出して読んだ。
通読して、なんだこの程度かと思った。もっとすごく厭な内容を予想していたけれど、まあこれなら許容範囲だ。中でちょっと怖いのは「厭な彼女」かな。こういうシチュエーションは確かに厭だろう。でも結末から考えると狂っているのは本人なのだろうという結論なのだけど。「厭な老人」もかなりだけどこれは即物的な厭さだし、「厭な家」もちょっと想像しにくい。最後の「厭な小説」にいたっては笑ってしまった。もちろん当人の立場になったらそれは厭ではあるだろうけど。
結局、いずれも自分自身や身近に起こったらそれは厭ではすまないことなのだが、小説で読むくらいなら厭で厭で読む気がしないというほどのものではないとういところか。読者を厭がらせるというのは難しい。ぼくについていえばスプラッタ系の方がずっと嫌だ。文字通り読む気がしなくなる。でもそれはこういう「厭」とは違うんだろうな。
この本、装丁が凝っていて、新本なのにカバーや見開きがシミなどで薄汚れ、紙も煤けている。もちろん本物の汚れではなくすべて印刷なんだけど、しかしここまでやるかという感じ。それと460ページもある厚い本なのに妙に軽い。持ってみてあれと思うほど。これも厭な感じの一部なのだろうか。変に重い方が厭だとおもうけど。

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