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2010年3月15日 (月)

「あやめ横丁の人々」

★★★★☆。星四つは甘いかな。どうも宇江佐真理には点が甘くなるようで。
あやめ横丁という風雅な名前とは裏腹に訳ありで危なげな住人たちが集う横丁に隠れ住むことになった旗本の三男坊、慎さんこと紀藤慎之介。ありえない設定と解説には書かれていたけれど、そこはつくりものの小説なんだからいいよね。長い割には大した事件が起こるでなし、大半が横丁の人々と慎さんの日常がつづられているだけなのだけど、それが味わいがある。この著者は髪結い伊三次シリーズが気に入って、他の作品も読んでみようととりあげたのがこれ。基本的に人情派の作家なのだと思う。そして、文吉であり伊呂波であり突っ張って生きる女の子がなんと可愛いことか。
どのみちハッピーエンドでは終わらなそうな設定ではあるけれど、加速度的に突き進む結末は悲しすぎる。JRの車内で思わずもらい泣きしそうになった。
「ほめきざかり」、「おっこちきる」、「あとみよそわか」など各章の見出しが思わせぶりで、タイトルに凝るという著者の面目躍如。しかし表題にまでトリックが仕掛けられていたとは気づかなかった。

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