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2010年4月 1日 (木)

「向井帯刀の発心」

★★★☆☆。物書同心居眠り紋蔵シリーズの第8集。佐藤雅美のいくつかあるシリーズの中でも最も長いものかもしれない。ぼくも確かこの作家を読み始めたきっかけがこのシリーズだったように記憶する。
手馴れたというか、安心して読める。いろいろなシリーズを交互に読んでいると主人公はともかくまわりの脇役がごっちゃになるが、読み始めればああそうだそうだとすぐ思い出す。紋蔵の相棒は定廻りの大竹金吾でなくてはならない。今回は黒川静右衛門という憎まれ役がでてきて悶着を引き起こす。まあ最後には溜飲の下がる結末となるわけだが。
この著者の特徴のひとつが江戸時代の土地貸借などの経済事情や刑罰などの法制度の説明が詳細正確なことだろう。それはそれで興味深くはあるけれど、「拝領町屋敷地代店賃上り高引当貸付」とか「拾ひ物いたし、訴へ出でず儀、顕ニおいてハ、過料」とか随所に出てくるのは多少繁雑に感じることもある。もちろんいいかげんな時代考証等を読まされるよりは正確な史実に則っているほうがずっといいのは間違いないけれど。
タイトルになっている最終作、「旗本向井帯刀の発心」はさわやかな好作。星四つでもいいのだけれど、文吉をめぐる不動岩の対応にちょっと不審というか整合性がない部分を感じたので少し減点。

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