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2010年4月12日 (月)

「花の下にて春死なむ」

★★☆☆☆。ビアバー「香菜里屋」ねぇ。こんな店があるのなら三軒茶屋近辺に住むのも悪くないか。度数の異なるビールが4種類と気のきいた料理。客種と店主はいまひとつ気に入らないけどね。
文章はうまいと思う。ひっかからずにすらすら読める。店内の情景描写もいい。料理もおいしそう。なにより無性にビールが飲みたくなる。上質な連作短編小説集だと思えば文句を言う筋合いはなく、星四つくらいつけてもいいのかもしれない。だけど、これが日本推理作家協会賞受賞作となると話は違ってくる。
典型的な安楽椅子探偵もの。きっちりした謎解きはなく、どうみても確率が高いとは到底思えない蓋然性の説明に終始している。たとえばホームズが窓から外を歩く人をみてワトソンに講釈する。それはいい。だけどミステリーというならば話の本筋がそれで終わってしまってはだめだ。結末がストンと心に落ちない。なので香菜里屋のマスターの口舌がよけいもったいぶって嫌味たらしく聞こえてしまう。6編もあるのだから1作くらいは少しまともなのがあってもよさそうだが、どれもだめ。いずれも複数の事象を根拠なく無理やり結びつけて幕を引いてしまっている。本質的に作り方を間違えているよ。
猫丸先輩だって似たようなものだろうといわれればそうかも知れないが、あっちは許容できるけどこっちはぼくにはだめなんだなあ。なんなんだろうか。品の悪い主人公のほうが性に合ってるのか。

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