もずが枯れ木で
今日の札響定期はラドミル・エリシュカ。とくればドボルジャーク。ここのところ新年度最初4月の定演はきまってエリシュカのドボルジャーク・プロだ。どうしても思い出してしまう一昨年もそうだった。自転車で転倒して鎖骨骨折(とはまだ知らなかった)の激痛に耐えて聴いたのは何番だったか。
今日の5番のシンフォニーは初めて聞いたかもしれない。なかなかの熱演だった。このエリシュカという人、札響の首席客演指揮者になって評価が高いのに、いまひとつピンとこなかった。でも今日はよかったと思う。こんなにダイナミックな指揮だったんだと初めて気づいた。どうも4月定期は骨折の記憶が思い出されて虚心坦懐に聴けなかったかもしれない。
1週間のよくも悪くもさまざまなできごとに鍵をかけて、ひととき忘我の境にさまよい出る。毎日の職場と自宅との往復ではなかなか気持ちの切り替えができにくいが、こうして月に一度通勤経路から大きく外れて誰にも干渉されることのない2時間を過ごすと精神がリセットされるような気がする。
コンサートの帰り道、ずっと忘れていた遠い昔の歌がふとよみがえり、ゆっくり口ずさむ。ゆっくりゆっくり歌うと、なんと悲しい歌だろうと思う。
“もずよ寒いと泣くがいい、兄サはもっと寒いだろ”