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2010年6月 4日 (金)

「サクリファイス」

★★★★★。
 この大胆なタイトルにこの内容、ほんとうに文句なしの傑作。脱帽した。以前、他の作品をけなしてすみませんでした。近藤史恵、この一作でもミステリ史に残る作家だと思う。
 自己犠牲の上に成り立つ自転車チーム競技。その特性がうまく書かれている。登場人物も生き生きしていて、白石はもちろん、伊庭も石尾もみんなが魅力的だ。伊庭の扱いなんてうますぎる。そして香乃。なんて素敵なキャラだろう。思わず一目ぼれしてしまいそうだ。ただし男を見る目はゼロだけどな。
 手に汗握るロードレースの展開。自転車好きにはたまらない。それだけで事件なんて起こらなくてもいいのに、最後になって不可解で意外な事件が起こる。そうかこれは青春小説じゃなくてミステリだったんだ。そして謎解き、どんでん返し。
 誰がこの結末を予想しえただろう。一読巻を置く能わず。一気に読み終えて愕然とする、けれど読後感は不思議にさわやか。まさにサクリファイスたる所以だろう。

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