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2010年7月28日 (水)

「深川恋物語」

★★★★☆。
 うん、これは納得。第21回吉川英治文学新人賞受賞作。
 残念ながら当たり外れなしというわけにはいかないけれど、この著者はやはり並の作家ではない。阿刀田高の解説を読むと、初期の作品は、描写はうまいのだけれどストーリー性に難があって、賞にもれ続けたとある。その中には髪結い伊三次物の一作目「幻の声」もある。いわれてみれば、伊三次物もだんだんに脇役を含む登場人物がうまく回って話が面白くなっていった気がする。本作品集も、長編のネタになりそうな内容をぎゅっと凝縮してあって、ストーリーに奥行きがある。確かにこれまで読んでつまらなかった本は、ストーリーに魅力が乏しい感じがあった。他人の書評の尻馬に乗るのは気が引けるが、さすがにストーリーテラーの目から見るとそう見えるのだろう。
 どれか一つを選ぶのは滅法難しいけれど、「凧、凧、揚がれ」かな。どこが恋物語?という気もするが、実にいい話で泣ける。「下駄屋おけい」も割と好き。このあたりの評価は件の書評とは必ずしも合わないが、まあ好き好きというところだろう。

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