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2010年11月10日 (水)

「一瞬の風になれ」

★★★★☆。
 期待して読んだからという思い入れもあったので、何とかおまけして星4個というところかな。100mレースに例えれば、スタートダッシュはよかったけれど、意外に後半伸びなくて失速し、なんとかゴールインというところか。
 今年にはいって立て続けにこの手のスポーツ小説を読んできて感動慣れしてしまったというのもあるだろうか。でも、「セカンド・ウィンド」を読んでから2ヶ月は経っているし、内容的には別物だしな。物語自体は悪くないし、そこそこ感動的だと思う。だけど、圧倒的にぐっとくるところまでいかない。不完全燃焼。そして何より、この内容で文庫版3分冊はいかにも長い。長すぎる。
 春野台高校という神奈川の公立校の陸上部の短距離陣を中心に話がまわってゆく。主人公の神谷新二と中学時代からの友人一ノ瀬連。タイプも走力も違うある意味対照的な2人が、それぞれ成長しながら高校3年間の選手生活を送り、最後のインターハイ予選南関東大会決勝というクライマックスを迎えるという筋立てだ。まわりのチームメートたち、監督、他校のライバルたち、新二の兄、家族などが脇をかためて、エピソードをつないでいく。だけど、メインになるのは、毎年ある大会、予選、それぞれのレースだ。それが失敗だったり成功だったりするのだが、たくさんありすぎてメリーゴーラウンドのように次から次へと同じ景色が現れるいう印象しか残らない。
 もうちょっと場面場面を絞った方がいいんじゃないかなあ。たとえば半分くらい、文庫で500ページくらいに抑えて、最後のレースへ向けて急峻なクライマックスへもっていくとか。個々の人物もエピソードもよく書けているし、「つなぐ」というリレー競技の重さもひしひしと感動的に伝わってくるだけに惜しい気がする。

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