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2010年12月10日 (金)

「エンジェル家の殺人」

★★★☆☆。
 江戸川乱歩の「三角館の恐怖」の原作版。三角館は以前読んでいるはずだけど筋書きはほとんど忘れていて、ほとんど新しく読んだのと変わらなかった。
 乱歩が感嘆して翻案物を書いたというのがうなずける。というより、屋敷の特異な構造とか双子の老人の遺言状をめぐる確執とか、あまりにも乱歩的でどっちが原作なのかという感じ。
 エレベータのトリックはぼくにはあまり評価できなかったけれど、数少ない内部容疑者の中でいかに意外性をもたせるかという点と、巨額の遺産相続がからんだ殺人事件の悲しい動機にはちょっと感心。なるほどね。
 いくら薄暗くたって、家人が変装して訪問したのを執事が見分けられないかとか、細かい点ではいろいろと気になるところが多々あるにせよ、シチュエーションからして所詮はつくりものなのだから、現代的な基準で瑕疵を数え上げるのは野暮というものだろう。大時代的なミステリとしては完成度は高いとは思う。

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