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2011年1月23日 (日)

「陽気なギャングが地球を回す」

★★★★★。
 久々に楽しい本を読んだ。こういう心置きなく笑える本は少ない。記憶にない。ひょっとしてボートの三人男以来か、などと思ってしまった。まさかそんなこともなかろうが。前に、ユーモア小説を読んで笑える人は幸せな人だ、そのときによって笑えない気分のこともある、みたいなことをある本の評に書いたことがある。しかし、それは大きな間違いだった。おもしろい本はいつ読んだっておもしろい。前の本がそう感じられなかったのは、実はおもしろくなかったからなのだ。
 それぞれに特技をもつ成瀬、響野、久遠、雪子の4人が銀行強盗を企てるのだが、首尾よく無傷で4000万円を奪取したものの、逃走中に思いがけない展開に巻き込まれ...、というドタバタコメディだ。男3女1というグループは座りがいいのだろうか。つい同じ作者の「>ゴールデンスランバー」を思い出す。チームワークの良さ、阿吽の呼吸。世代的にも近い。それはともかく、何よりの魅力は個性的な4人の織りなす会話だろう。当意即妙の会話というのは頭の回転が速くなくては成り立たない。瞬時の切り返し、揚げ足とり、減らず口、誘導、強弁、言い訳、軽口、警句、それらがピタッピタッと決まってゆく心地よさ。おかしみのツボを心得ている作者ならではとしか言いようがない。この人にこういうセンスがあったとは。響野と久遠の漫才のような掛け合いなど絶品。とぼけた久遠もいい味出してるけど、ぼくとしては口の減らない響野が好みに合う。「私のポリシーは『おとなげなく生きる』だからな」。わはは、自分を見るようだ。
 これで続編があるというのだからうれしくて仕方がない(笑)。

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