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2011年1月29日 (土)

「浪花少年探偵団」

★★★★☆。
 東野圭吾の短編作品はあまり買ってないのだけれど、これは別。読んでいてすこぶる楽しい。解説文によるまでもなく、これはひとえに大阪弁による会話のなせるわざだろう。ごく普通の会話が大阪弁というだけでなんでこんなに生き生きしてくるのだろう。主役たる小学校のしのぶセンセ(先生ではない、センセ)と子供たちのやりとり、事件を通じて知り合い、センセに思いを寄せる新藤刑事との会話。そんなこんながそれはおかしい。まさに大阪弁が地に足がついている。育ちは争えないものだ。
 5つの連作短篇のそれぞれはトリックだのプロットだのというほどのものではなく、ミステリとしてはお粗末だけれど、これはそういう観点から評価すべきものではないだろう。しかし、主役はなんといってもしのぶセンセだろうに、タイトルがなんで少年探偵団なんだろう。
 それはともかく、この本の最大の魅力のひとつは宮部みゆきの書く解説だろう。文庫本を読んで得することは解説が付されていることで、なぜ値段の高い単行本に解説がないのか不思議で仕方がない。それを宮部みゆきほどの達人が書いているとなるとなおさらだ。この解説を読むだけでもこの文庫本を買う価値がある。うまい。ほんとにうまい。大阪市内のバスでの姉弟喧嘩のシーンから読み手を引きこむ手腕。こんな小文でも手を抜かないというかそもそものレベルが高いのだろう。大阪弁の人情小説書いてほしいなあ。きっとうまいに違いないと思うけどな。しのぶセンセが「じゃりん子チエ」のチエちゃんの大人になった姿では、という説には爆笑。わはは、おかしい。チエちゃんはガッコのセンセにはならんやろ。それにしても宮部みゆきが「じゃりん子チエ」の熱狂的ファンとは。ポイント高いなあまったく。
 本篇より解説の感想が長くなってしまった(笑)。このしのぶセンセものは続編があるので楽しみ。解説は誰が書いてるんだろうなあ。

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