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2011年2月 8日 (火)

「やる気のない刺客」

★★★★☆。
 町医北村宗哲ものの第2作。前作を読んでからかなり経っているのでよくおぼえていなかったが、そういう人のためにこれまでのあらすじが作中に語られるので思い出した。物のはずみでやくざの親分の息子を殺してしまい、追われて逃げ回り、最後は開き直って闘い相手を逆に引退に追い込んだというヒーローが主人公。そうだそうだ、似たような境遇をたどる別シリーズの啓順ものとそっくりで、啓順の後日の姿が宗哲ではないかといわれているくらい。今はすっかり足を洗って町医に納まっているが、そういう前歴なもので、その筋からいろいろと係わりを持ち込まれる。本人は、もう関係ないのだからと迷惑がっているポーズをとってはいるものの、やはり好奇心の虫が抑えきれずについ首を突っ込んでしまうという筋書き。1話1話読み切りの短篇がゆるくつながっていて、ひとつの物語の流れになっている。
 相変わらずの佐藤雅美というべきだろう。前にも書いたけどいくつかあるこの作者のシリーズものはどれもおもしろい。主人公の人柄がよく似ていてついごっちゃになるのも同じ。同じシリーズだけ読み続けるならまだしも、文庫化される順番に読むものだからそれぞれ主人公も設定も微妙に異なるものを続けて読むことになり混乱する。まあどれも似たような話なので実害はないけれど。すぐに手下やら仲間やらとの話に酒を飲みに行きたがるところも同じだ。この作では砂場という蕎麦屋が行きつけで、蕎麦の種物を肴に二合徳利を傾けるシーンが頻繁に出てきて喉が鳴る(笑)。
 おや、ところでこの本は文庫本なのにつきものの解説がないぞ。少し損した気分。

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