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2011年3月17日 (木)

「冷たい校舎の時は止まる」

★★★☆☆。
 これはちょっと。とにかく長い。上下巻で1100ページ以上。正直言って上巻の半ばでもう投げ出したくなった。長いだけならもっと長い小説はもちろんあるけれど、これだけ長い必然性がまるでない。ただただ冗長でだらだらと続く。それが耐えられない。何冊にも分かれている長篇は、まず1冊目を買って読んでみてから次を買うというのがいつものパターン。だけどミステリーの場合は読みだすとすぐに次を読みたくなるのが普通なので、2冊ものならばえいっと全部買ってしまうことも多い。それが裏目だった。これを上巻だけ買ってあったらたぶん下巻は買わなかったろう。
 高校生8人が雪の降る朝に校舎に閉じ込められ、1人また1人といなくなってゆくというホラーもの。超常的出来事が次々に起こる。この舞台そのものが、学校祭の日に自殺したある生徒の脳内世界だからという筋書きだ。誰の思考世界なのかすなわち自殺したのは誰かというのが大きな謎になっている。一見それらしくなく見えてもそれぞれが自殺してもおかしくない心因を抱えていて、その8人分の生い立ちやら説明やらがとにかく長過ぎ。現役の高校生ならそれぞれに自己投影して没入できるのだろうか。とりあえずぼくはダメだ。
 最後の謎解き部分は悪くないと思う。ありがちなトリックだけど、伏線も張られているし意外性も十分ある。だけどそれが生かされていないのが残念至極だ。メフィスト賞受賞の処女作だそうだけど、上梓前に半分くらいのサイズに改稿したらとか選考委員とか編集者から注文がつかなかったのだろうか。

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