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2011年4月 8日 (金)

「火天の城」

★★★★☆。
 信長は人気あるなあ。日本の歴史上の人物の中では異色の存在だ。あまりにかっこよく書かれ過ぎているきらいはあるけれど、その凛とした苛烈さ、容赦ない鋭さで人生を駆けのぼり、あっという間に散った潔さ。たしかに憧れてしまう。大河ドラマだと高橋幸治、といっても誰も知らないか。延命嘆願が殺到して本能寺の変が延期になったくらいの人気だった。もちろん自分はああは絶対なれないし、たぶん自分が家来だったらとってもやってられないだろうとは思うけど。ぼくは姓名判断によれば明智光秀型なのでなおさらだ(笑)。
 その信長の安土城の築城物語。山本兼一の作なので期待して読んだけどさすがに期待にたがわぬ力作。棟梁の岡部又右衛門と以俊父子を中心とした男達の渾身の物語だ。なんといっても圧巻は八間もの木曾檜の川流しと三万貫の蛇石の運び上げだろう。その途方のなさには感嘆するしかない。そんなにまでして造り上げた時代を超えた独特の意匠を凝らした異国風の天主が、またあっけなくも焼け落ちる。人生とは、歴史とはそういうものなのだろう。そのはかなさがまた信長らしい。
 今は小山に石垣跡しか遺構が残っていないという安土城址。まさにつわものどもが夢のあと。行ってみたいと痛切に思う。

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