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2011年4月 1日 (金)

「陽気なギャングの日常と襲撃」

★★★★☆。
 前作ではあんなに笑ったのに...、2作目は難しい。あれ、どこかで最近聞いたような。伊坂幸太郎にしても然りか。まあ、そうそう銀行ギャングばかりで話をつなぐわけにはいかないしね。演説強盗といったって2回目では新鮮味に乏しい。
 前半は成瀬、響野、久遠、雪子の4人のそれぞれの物語りを綴って変化を出している。が、それが成功しているかどうかは微妙。底が浅いというか、はっきり言ってあまりおもしろくない。何といってもこの連作の魅力は、メンバー同士の当意即妙の掛け合いだろう。当然ながら個人プレーではそれが現われない。響野と久遠の会話、もっともっと聞きたかったのに。
 この著者のことなので、一見つながりのないそれぞれの挿話がちゃんと意味を持って最後には一つにまとまるのはいつもながら感心する。だけど、久遠の超絶技巧はまあ主役の1人だから許すとしても、いみじくも作中で成瀬が言っているように、必要な小道具をなんでもかんでも田中に頼るのはいかがなものか。まるでドラえもんポケットのようでちょっと安易だよな。そのあたりもこの作品の限界といえるかも。
 というわけで、陽気なギャングが姿を現すことはもうないのだろうけれど、そう思うとそれぞれのあまりに個性的なキャラクタに会えないというのも残念だ。準主役級でいいから、4人がそれぞれ活躍するような作品を読みたい気がする。それはそうと、今回お気に入りのエピグラムは何といっても、「愚か者は、天使が恐れるところに突進する」。ぼくは響野乗りだからね(笑)。

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