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2011年5月30日 (月)

「男たちは北へ」

★★★★★。
 「男たちのロマンをさわやかに描く傑作ロード・ノヴェル」。なるほどねえ、コピーライターってのは短文でうまいこというなあ。それ以上もう書くことないし(笑)。まさに男の男による男のための物語、なんて書くと差別だとかいわれるんだろうか。そんなことないよね。女の女による女のための物語だってあっていいんだし。ぼくはそんなものに興味ないし見る気もしないけど。以前、読書家の女子学生におススメ小説リストを見せてもらったことがある。ぼくの読んだことのない本ばかりで、半分はとてもおもしろく読めた、けど残り半分はちょっとねぇと手が出ない。男と女は違うのだからそれで当然だと思う。
 話がそれた。東京から青森まで自転車旅行する不良中年桐沢風太郎の物語だ。旅行自体が著者の実体験に基づくのだそうで、随所にある峠越えの苦闘やドライブインでの食事、安宿に泊まる話など、臨場感たっぷりでそれだけで十分におもしろい。のだが、そこにフィクション部分として、桐沢が自衛隊の機密文書をひょんなことから手に入れたおかげで、その奪回を試みる隊員たちにつけ狙われ、行く手に繰り広げられる手に汗握る闘争が加わって、サスペンスに仕立てられている。その争奪戦にもう1人の主役として登場するのが、機密文書の真の意味に気がついて驚愕し、自衛隊の法務官という立場でありながら桐沢の生き方に惹かれて、最後には彼の青森行きを助けるために隊員と戦うことになるアウトサイダー尾形圀夫。そして本筋にはからまないものの、バイプレイヤーとして随所に現われて欠くことのできない存在であるヒッチハイカーの高校生。それぞれの男の生き方が、こうじゃなくちゃ、うんうん、と共感させられるものばかり。だからこそ、これは男の物語なのだ。

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