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2011年6月20日 (月)

「6時間後に君は死ぬ」

★★★★☆。
 まずはキャッチーな表題に惹かれる。ただし長編ではなくゆるくつながった短篇が5作の連作ものだった。最初におかれた表題作と最後の「3時間後に僕は死ぬ」は、タイトルも呼応しているし、登場人物が共通するひとつながりの物語になっている。実際、一本化してドラマになっているそうだ。
 表題作は確かに最後のどんでん返しが効いていておもしろい。そこへもっていくサスペンス性も十分。短篇としてはこれで完結しているので、後日譚というべき「3時間後~」はよけいだった。二番煎じだし、実際数段落ちる感じ。ビジョンのし続けとか設定が無理やりすぎる。
 真中におかれた「恋をしてはいけない日」にはびっくり。これも「変身」ものだよ。「ばんば憑き」といいなんでここのところ似た作品にぶつかるのだろう。偶然にしてはできすぎだ。
 それはさておき、ぼくはその間にはさまれた2作目「時の魔法使い」と4作目「ドールハウスのダンサー」が好きだな。「時の~」は、時間旅行という超常物だけど、自分同士が出会うという設定が気が効いている。別れ際のことば、「それにね、嬉しかったの。だって、あたしこんなに優しい人になれるんだもん」。人生で大切なことは何か、成功することだけが人生の価値なのか、を痛切に問いかけている。そして、魔法の呪文「未来、未来、希望にあふれた未来」。すばらしい人生じゃないかと思う。「ドールハウス~」もよく似た内容。平凡な人生でも、一所懸命に生きることこそがかけがえのないものなのだ。2作ともほのぼのと温かい気持ちにさせてくれる。元気が出る。ちょっとブルーなあなたにおすすめ(笑)。

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