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2011年6月 7日 (火)

「ばんば憑き」

★★★★☆。
 宮部みゆきの江戸物怪異譚。こういうものを書かせたらまあ右に出るものはないだろう。相変わらず登場する少年少女たちの可愛いこと。どうしてこんなに生き生きと描けるのだろう。「お文の影」のお文、「博打眼」のお美代、「野槌の墓」の加奈、身分も境遇も大違いなのに、それぞれに注ぐ作者の温かなまなざしがじ~んと伝わってきて、思わず抱きしめたくなってくる
 表題作を含めて6本の短篇が収められているが、これまでの江戸物と違って全体がひとつながりの連作ではなく、それぞれが独立している。しかも、以前の作品に登場した「日暮らし」の政五郎とおでこ、「あんじゅう」の青野先生と行然坊が登場したりして、悪くいえば連作物のサイドストーリーの寄せ集めの感がある。
 そうはいっても、それぞれの短篇はそれなりにおもしろく楽しめる。表題作の「ばんば憑き」はおそろしい話だ。殺された人の魂を殺人者に乗り移らせるというあたりは、先日読んだばかりの「変身」を思い出してしまった。

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