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2011年8月31日 (水)

「ブラバン」

★★★★☆。
 一週間も夏休みがあったのにほとんど本を読めなかったのが残念。これは休み前に読み終わっていたもの。なんで手に取ったのか忘れたけれど店頭衝動買いの一冊。「永遠の青春組曲」なんて気恥ずかしいカバー解説にあるように、スポ根ではないけれどそれに近い高校の吹奏楽部の日々とその卒業後の再結成の話。合唱や吹奏楽は文化部ではあるけれど、体力が要求されることもあって筋トレしたりするし、日々の朝錬夕錬と運動部みたいな側面がある。チームプレイでもある。
 広島にあるという設定の典則高校のブラスバンド部でコントラバスを弾いていた僕、他片等の一人称で物語は進む。僕は卒業後25年を経て流行らない酒場のマスターになっているが、そのもとに25年前のメンバーを集めてブラバンを再結成して結婚披露宴で演奏するという企画が持ち込まれる、という筋書き。ただし内容のほとんどは再結成の苦労話ではなく、現役当時のさまざまなエピソードに満ちた回想シーンだ。それがテンポよくおもしろい。お父さんがだまって高価なエレキベースを買ってくれる話なんか泣かせるし、コントラバスをエレキ仕様に改造するシーンなどは大笑い。会話が広島弁なのがローカル感を醸しだしていて、この場合はプラスに働いている。最後は意外な結末に終わるのだがこれはこれでいいと思う。
 軽い。一気に読める。深刻な場面もあるにはあるのだけれど、深刻にさせない明るさが救いになっている。難をいえば大編成の部活なので登場人物が多いところだろうか。だけどパートごとに分かれているし、基本的に重なっているのは3学年しかいないので、それほどわかりにくくない。主要な10人くらいの友人はキャラが立っていてすぐにおぼえられるし。ぼくはとっくに過ぎてしまったけど、高校卒業して25年、40代前半の人には吹奏楽をやっていなくても同世代感というかもっと作品世界に浸れるのかもなと思う。

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