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2011年8月21日 (日)

「シャドウ」

★★★★★。
 直木賞をとったからというわけではないが、読んだことがなかったので手に取ってみたのがこれ。2007年の本格ミステリ大賞受賞作だそう。本格ミステリといっていいかどうかは疑問だけれど、作品としての完成度には感心。何より文章の構成と精緻さはすばらしい。全体に仕かけられた叙述トリックとミスリーディング、うっかり読んでいるとすっぽりと嵌ってしまう。登場人物たちの誰を何を信じたらいいのかわからないいい知れぬ不安にぐいぐい引き込まれていき、読み始めると止まらない。うまいと思う。出てくる主要人物はたった5,6人で、その中に被害者も加害者もいる。それなのに真相が最後までわからない。
 主人公は妻を病気で失ったばかりの我茂洋一郎とその息子の小学5年生の凰介。洋一郎の同僚の水城徹とその娘で凰介の同級生亜紀。水城の妻、恵の自殺と相前後して亜紀が車に飛び込むという事故が相次ぐ。水城家に何が起こっているのか。凰介は亜紀のために洋一郎やその恩師である田地教授の力を借りて、真相究明に挑む。ちょっと違うなあ。まあ流れとしてはそんな話。
 健気にがんばる凰介の心理や言動描写がうまい。つい応援してしまう。洋一郎との父子関係も微笑ましい。父も息子もいないぼくにはちょっぴりうらやましい。最後に明かされる意外な真相はあまり愉快なものではないけれど、疑惑が晴れて残された家族の絆が修復され、読後感は悪くない。
 今日のランニング。16.2 km/114 min。今月の累計距離 120.6 km。

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