« 旅仕度 | トップページ | 大狩部 »

2011年8月23日 (火)

「館島」

★★★★☆。
 あの東川篤哉。これは本屋大賞受賞作「謎解きはディナーのあとで」より前の作品だけど、意外にまっとうなミステリでびっくりした(失礼)。彼の持ち味はドタバタギャグだけではないのだ。というか掛け合い漫才を楽しみながらちゃんとしたミステリも味わえるというなかなかの才能なのでは。クレイグ・ライスというとほめ過ぎにしても。
 瀬戸内海の孤島に建つ六角形の館。謎の死を遂げた設計者でもある資産家の相続問題をめぐって、招待された関係者が集う夜に起こる殺人事件。おりしも嵐が襲って島は孤立し、さらにまた犠牲者が...。う~ん、いかにもできすぎというか舞台装置がそろい過ぎ、見え見えコテコテで恥しいような設定だ。しかも警察が到着するまでに謎解きに挑むのが美人探偵(帯に美人と書いてある)とちょっと粗忽な休暇中の刑事という配役。この2人のやりとりがおかしい、というのは「謎解きは~」を読んだ人には解説不要だろう。
 ドタバタばかりではない。メイントリックは驚くなかれ島田荘司ばりの壮大な仕掛けだ。これ以上いうとネタバレになってしまうけどね。かくして1から10までつくりもののおとぎ話ではあるけれど、結構痛快で楽しく読めた。あんなアホらしいものよく読みますねとか誰かさんにまた言われそうだけど、ぼくはこういう非現実的なのは好きなので。難をいえばタイトルがちょっとね。いっそ「十文字館の謎」とかでは(笑)。

« 旅仕度 | トップページ | 大狩部 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

CLICK !

  • おもしろ有機化学ワールド



twitter

2024年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ