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2011年9月20日 (火)

「一心斎不覚の筆禍」

★★★★☆。
  物書同心居眠り紋蔵シリーズももう9冊目(たぶん)。何度も同じことを書くけれどこの著者の似たようなシリーズはどれもおもしろく、続けて読んでいるのを合わせると相当な冊数になっているだろう。主人公の思考・行動パタンが似ていて周りの登場人物も大同小異なので、つい話がこんがらがる。紋蔵は八丁堀同心の例繰方すなわち書記役で、奥方が里、娘が稲、麦、妙に息子の紋太郎、紋次郎、貰い子の文吉。飲み友達は定廻りの大竹金吾と。なるほどなるほど思い出してきた。
 収録されている8編のストーリーはさすがに達者だ。9冊も読んで飽きないものかと思うけれど、こういうのは飽きる飽きないの問題ではなく、安心して心地よく読めるのでつい次々に読んでしまう。そういうふうに読者を引き込むというのが練達の技というものだろう。
 「文吉の初恋」、一旦は侠客不動岩の厄介になっていた文吉が堅気の世界にもどってきての話。まだ手習いに通う子供のことだが、男としてしっかりしたところが健気だ。その文吉に思いを寄せるのがおませなちよ。自分の立場をわきまえて付文の約束をあえて黙殺した文吉に、「はっきりしなさい。私のこと、嫌いなの?」と怒るちよ。そのちよが親の江戸払いで武州へと旅立つ朝、文吉は板橋宿まで見送りに行く。そこでのやりとりが子供ながら泣かせる。
 しかし、「<コクリコ坂から」でも「ふたつめの月」でもそうだったように、またこのちよときた。女の子は強いね。男の子はいつもたじたじだ。まあ身の回りを見渡しても.....、以下略(笑)。

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