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2011年9月17日 (土)

「神様のカルテ」

★★★★★。
 何かと話題の2010年度本屋大賞第2位作。櫻井翔、宮﨑あおいで映画化。気にはなるけれど、なんとなく話題先行で軽薄軟弱な感じがして手に取れないでいた。読もうと思ったきっかけは新聞のオリンパスの4ページ広告。われながら乗せられやすいというか、まあミーハーなんだな所詮。
 読んでみてびっくり。予想と全然違った。主人公の本庄病院内科医栗原一止は夏目漱石を愛し、連日の徹夜も辞さずに地域医療の現場で奮闘する硬骨漢。その毎日がユーモラスにつづられてゆく。なかには地域医療がかかえる問題点、過酷な勤務を強いられている医師の待遇問題、そういう深刻な問題が提起されているのだが、そんな重さを感じさせないように、軽々と物語は進む。病院の多士済々な医師、看護師たち、たまに家に帰れば浮世離れした御嶽荘に集う面々。それぞれのキャラが立っていておもしろい。そしてきわめつけは細君のハル。「月に良し悪しがあるのか」「ありますよ。空の向こうには良いお月様と悪いお月様がいて、どちらが出てくるかは実際に会うまでわからないんです」。ハルが噛むとすべてがロマンでありメルヘンになってしまう。この今どき極端な人物造型には賛否あるだろうが、ぼくは違和感なかった。実際にはありえないけれど、ドラマいや小説なんだからありだろう。ここへ宮﨑あおいをもってきたのはすばらしいキャスティングだと感心した。そこへいくと櫻井はどうかなあという感じ。
 そして、きちんと泣かせてくれる。安曇さん、いい人だねえ。いい人ほど早く逝くというのはその通りなのかもしれない。もう最後は涙、涙。病院のある信州松本の美しい自然、山々、四季の花、星空、そして数々の地酒、それらの舞台装置がとても効果的だ。著者の経歴を見るとまさに自身の体験に基づいているのだろうなとわかる。すでに続編第2作が上梓されているとなるとこれは読まずにいられない。映画は...、見たい気もするけれど見ない方がいいか思案中(笑)。
 今日のランニング。20.1 km/131 min。今月の累計距離 87.8 km。

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