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2011年12月 8日 (木)

「ルー=ガルー2」

★★★★★。
 「お待たせえという場違いな声が聞こえた。」
 やった。待ってました都筑美緒登場!思わず「待ってたぜぃっ!」と声をかけたくなる。いいなあ、この超絶破壊力満載非常識天才バカ娘。「わっははは。高周波も出る優れマシンだ」。これ絶対榎木津礼二郎の係累、いや妹だろう。無茶苦茶な行動パタンや思考回路がそっくり。なので、近未来物と過去物というシチュエーションの絶対的違いがあるのに、京極堂物と類型的に見えて仕方がない。しかも橡という元刑事の言動がまた木場修太郎に似ているし。まあ同じ著者の登場人物だから似てしまうのかな。いずれにしても痛快この上ない。文句なしの快作。
 およそ10年前に出版された「ルー=ガルー忌避すべき狼」の続編。中学生くらいの女の子のグループが活劇を繰り広げる近未来SF小説なんていっても読んでない人には伝わらないだろう。前作はほとんど忘れてしまったけれど、少女たちがビルに立てこもって派手な破壊工作をするのだったような。まだ手元にあるのでもう一度読みなおそうかな。
 今作のキーワードは薬。どういう薬かはネタバレになるので書けないけれど、10倍人間という発想には驚いた。そういう考え方もあるのか。まあありえないだろうけれど。少女たちのうち、来生、都筑(前作では都築)、麗猫は生き生きとしているが、作倉、神埜、牧野は今回はちょっと影が薄いかなあ。でも毒の正体は何かというミステリ的ストーリーもさることながら、何といってもサスペンスというかアクションというか都筑美緒の圧倒的破壊力と橡兜次のアナクロ(すなわち現代風)挙動が読みどころだろう。
 京極夏彦も最近は脱力系ばかり読まされてきたので、こういう本道を行くミステリは大歓迎。何度も書くけれど「鵺の碑」はいつ出るんだ~。

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