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2012年1月12日 (木)

「未明の家」

★★★★☆。
 この著者もぼくは初読。新本格派のひとりだそうだけど、そこらへんにいそうな普通の名前すぎてか記憶に残ってない。まあ新本格とはいっても単なる時代区分であって中身は玉石混交だからな。
 「建築探偵桜井京介の事件簿」という副題がついている。建築探偵ってなんぞや。タイトルからして綾辻行人の館シリーズのようなものか。たまたま手にとって買ってはみたもののあまり期待しないで読んでみたら、これがなかなかのものだった。きわめてオーソドックス。こんなにツボにはまるミステリというのも今どき珍しい。古風といっていいのかな。正真正銘一枚看板ミステリですよという感じ。伊豆の高台に建ついわくありげな洋館。一癖も二癖もある旧家の一族。そこで起こる不可解な事件。世間離れした奇矯な探偵役とその取巻きたち。
 肝心の謎解きという点は大したことないけれど、かように舞台装置は整っていて大いに楽しめる。一部の新本格作家と違って文章が達者なのですらすら読めるのがいい。それと主人公である桜井京介とワトスン役の蒼、深春の2人が実にうまく書けている。それぞれのキャラが親近感をもって読める。これでプロットがもうひとひねりあればいうことないのだがな。本作についていえばスペイン語がわかるとおもしろいかも。反則技と目くじらを立てるほど大層なことではないけど。
 しかしこのシリーズはなんと15冊もあるらしい。それだけ続いているということはそこそこ売れているのだろう。もうちょっと読んでみるかね。

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