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2012年1月 7日 (土)

「ビブリア古書堂の事件手帖」

★★★★☆。
 年末に紀伊國屋の文庫コーナーに「本の雑誌が選ぶ2011年度文庫ベストテン第1位」という触れ込みで山積みされていてつい買ってしまったもの。でもけっしてカバー絵に惹かれたのではないよ(笑)。
 いわゆる安楽椅子探偵もの。この手の連作短編は多いけれどなかなかこれはというものはない。短篇でメリハリつけて納得の謎解きをいれてしかも登場人物に好感を抱かせる、というあれもこれもを満たすのが難しいせいだろう。その中ではまずまず及第点といっていい。
 鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」が舞台。ケガで入院中のうら若き女性店主篠川栞子とひょんなことからアルバイトで雇われた五浦大輔が主人公。古書店をめぐっていろいろな事件が起こり、その話を大輔に聞かされた栞子がベッドの上で鋭い推理によって解決するという連作。ミステリというほどの謎があるわけでもなく、日常のちょっとした不思議を解き明かすというものではあるけれど、4編それぞれがつながっていて、ひとつの長篇と読めなくもない。漱石の「それから」に始まって太宰の「晩年」まで、各編が本にまつわるストーリーになっていて本好きにはそれだけで興をそそられる。ぼくは本好きではあるけれど、稀覯本とか初版本とかには興味がない。さすがに太宰の自筆書き込みがあるアンカット版「晩年」といわれれば、おおと思うけれど、300万円払ってまで入手しようという気にはならない。でも、そういう本についての蘊蓄は嫌いではないし、そういう本に寄せる思いはよく理解できる。う~ん、そういうところがこの本の魅力なのかな。「本の雑誌」で評価されただけのことはある。
 4作のなかでぼくが好きなのは3作目『論理学入門』。坂口さんの奥さんしのぶさん、えらいよねえ。こんな心づかいできる人がバカなわけはない。ほのぼのとしてしまう。栞子さんもちろん素敵だけど、ちょっと現実離れしてるというかつくりものすぎるのがマイナス点か。そこへいくと大輔君はよく書けている。でもこの2人が織りなすストーリーがどう展開するのか、なるほど次作を読んでみたいという気になってしまう。
 今日のランニング。16.0 km/109 min。今月の累計距離 51.0 km。

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