公平性
国立大学の二次試験出願が今日から開始。それに先立って昨日センター試験の再試験が終わったばかり。今年のセンター試験のすったもんだについてはあちこちで叩かれているので今さらここでは書かないけれど、これは構造的な問題なんだろうなやはり。全国709個所の試験場で55万人以上の受験生が同時に試験を受ける。すごいシステム。実際の試験教室数はその何倍かあるだろうし、それぞれに複数の試験監督員が配置される。いったい全部で何人になるのだろう。それらの教室でそれらの人々が全員ミスなく仕事を終える確率ってどれくらいなんだろうと思ってしまう。ひょっとして日本人だからできるのでは、とか。
今回の問題にしても、同時配付すべき地歴と公民を一冊にまとめておけばこんなことは起こらなかった。同じ選択システムの理科は元々一冊だったので何の問題もなかったのだから。人間は間違えるものである、というフェイルセーフの考え方が入試センターになかったのが一番の問題だろう。「想定外だった」などとよく言うよ。
それはともかく、日本中で行われるこれだけ大規模な試験で、公平性がどれだけ担保されているのかははなはだ疑問だ。ぼくは北海道の人間なので北国に身びいきしてしまうけれど、この地の高校生やその親御さんはは前日からどれだけ不安な思いをしているだろう。ちょっと大雪が降れば交通機関が遅れたり止まったりするので、早起きして試験会場へたどり着く算段をしなければならない。試験開始前に疲れてしまうだろう。実際、うちの娘たちが受験したときはぼくも本当に胃の痛い思いをした。南国の受験生がうらやましいと思った。最近、東大を中心に秋入学の検討をしているという。いいことだと思う。ただし、どうも試験は今のままで入学だけ半年ずらすのだという。どうせなら試験もいい季節に繰り下げればいいのに。
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