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2012年2月19日 (日)

「向日葵の咲かない夏」

★★★★★。
 道尾秀介は3冊目かな。これはまた評価の分かれる作品で、気持ち悪いとかマイナス評も多いけれど、ぼくはおもしろかったし、感心した。とにかくうまくできている。う~むとうなるくらいうまくできている。読み終わって思わず前の方から全部読み直した。ああ、なるほどそうかそうか。なんという注意深い記述になっていることか。この叙述トリックのすばらしさ。それだけで満点をつけてしまうよ。
 小学四年生の夏休み。ミチオが休んでいる友人に届け物をしに行ったら、その彼が首吊り死体になっているのを発見。あわてて学校に知らせにもどると、その後忽然と死体が消えていた。その死んだ友人S君がクモに生まれ変わってミチオのもとに現われる。ミチオと3歳の妹のミカとクモのS君とが協力して真相究明に乗り出すというストーリー。S君はどうして死んだのかというのがメインの謎で物語は二転三転するのだが、事件の真相とは別に最後になって驚くべき事実が明らかになる。
 死後転生譚は別に珍しくないし、ファンタジーだと思って読めば人間がクモに生まれ変わったってそれほど違和感はない。この著者は子供の描写がうまいので、すいすいと読み進んでしまう。でも実はこれはファンタジーなんかではない。ミチオが一人称で語っている部分はすべて彼の想念の産物だとしたら、単なる現実の物語になってしまうのだ。これはこれでものすごく怖い。
 なんていうとネタバレになってしまうので、そんな持って回った言い方しないでよという人にはぜひこちらのネタバレブログを。これはよく書けていて、読むといろいろなことが腑に落ちた。道尾マジック、まさに。すごい作品だと思う。

 今日のランニング。15.6 km/108 min。今月の累計距離 92.4 km。

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