A級順位戦最終戦2020
将棋のA級順位戦最終戦が昨日行われて今期の順位が確定した。例年5局一斉対局となる最終戦の結果次第で名人挑戦者や陥落者が決まることが多いので、将棋界で一番長い日などと言われているが、今期はすでに渡辺三冠の挑戦と久保九段の陥落が決定しているので、焦点は残り1枠の陥落者のみであり、いささか緊張感の少ない日ではあった。その陥落者は可能性のある佐藤天九段、糸谷八段、木村王位のすべてが勝ったので、順位の関係で唯一自力の目がなかった木村王位と決まった。まあ順当な結果だろう。
これで来期は40代棋士2人が抜けてB1から菅井八段、斎藤八段という気鋭の20代2人が加わり、世代交代が進むこととなる。そのB1には前期昇級した永瀬二冠、千田七段が控えていて、惜しくも連続昇級はならなかったが、2人ともほぼ次点の成績なので、次期昇級の有力候補といっていいだろう。来期A級に残る40代以上の棋士は、佐藤康九段、羽生九段、三浦九段の3人しかおらず、このうちの2人と入れ替わることになれば、一気に若返りが進むことになる。
ところでこの最終戦、昨年はAbemaで中継していたと思ったけど今年はやってなかった。しようがないので朝日新聞のページでやっていた大盤解説のnet中継をちらっと見たけど、それがPC画面の投影で行われていたのでびっくり。大盤解説っててっきり大きな盤駒を動かしながらやるんだと思っていた。確かに5局並行だから対局画面を切り替えたりするのにはこの方がずっと優れている。操作中はポインタはもちろんメニューバーやダイアログまで見えていて臨場感というか手作り感というかが満点で、昭和のおじさんはつくづく時代を感じてしまった。