秘境駅ブーム
「観光亡国論」を読んで感じたことはブクログに一部書いたけど、本書にはあまり出てこなかった鉄道がらみの話でもおかしなことはいっぱいある。たとえば秘境駅ブーム。最初はどこで火がついたのか知らないが、マスコミで取り上げられてあっという間に広がり、鉄ちゃんですらめったに行く人がない駅ににわかファンがどっと押し寄せる事態に。
北海道でいえばまずは室蘭本線小幌駅。一度行ってみたいと思っていながらあまりの不便さに二の足を踏んでいたところで、2011-3年度の一日平均乗車人員はゼロだったのに、第一級の秘境駅として名を上げて以来、2018,9年度には駅利用者は年間2400人を越えているという。こうなるともう秘境でもなんでもないし、行く気も失せるというものだ。ここはJRが廃止の意向だったのを豊浦町が観光資源として全面的にバックアップし、廃止は保留となっている。
秘境駅で町起こしといえばより大々的なのが幌延町。縦貫する宗谷本線は特急も走る路線でありながら町内に6駅もの秘境駅がある。秘境といっても小幌のような隔絶した懸崖の地というわけではなく、単なる過疎駅だと思うが。ここでは毎年夏に秘境駅フェスタを開催し、秘境駅バスツアーまで行っている。それって秘境なの。しかも秘境駅に団体バスで行くって...、やってることが矛盾していると思わないのだろうか。それともとにかく話題になって人を呼べればいいのだろうか。日常的利用者がほとんどいない駅をこうしたイベントのために存続させるというのは本末転倒だろうに。JRは遊覧鉄道ではないのだから。本来の秘境駅とは、限界集落のように時の流れとともに役目を終えて消えゆくのが自然では。波浪に削られて線路を失い廃駅がほぼ決まりつつある日高本線大狩部駅のように。
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