詰将棋パラダイス2020.3月号
詰将棋パラダイス3月号は2月29日に到着。結果稿は12月号の分だが詰将棋学校はお休みの月で、代わりに年末恒例の短編コンクール全50題の結果発表がある。短編コンクールは毎年12月号で行われるもので、7, 9, 11手詰のローテーションで今回は9手詰の回。短編とはいっても50題ともなるとどこに引っかかりや見落としがあるかもしれないし、解答の書き間違いということもあるので油断ならないが、今年はなんとか全題正解できた。
50題の順位付けは解答者が各題ABC評価をつけて、A3点、B2点、C1点として平均点を算出する。今回の最高点は2.92点、最低点は1.70点だった。意外と差がつくとみるか差がないとみるか見方によるだろうが、最高点は全Aより少し低く、最低点は全Bより少し低いと考えると、3段階評価にしては差が小さいように思う。評価する側の心理として、ABCの3段階だと標準をBとして、これはいいなと思ったのにAをつけ、これはちょっとというのにはCということになるが、AはともかくCは否定的な評価になるので心理的につけづらい。これはぼくだけではなく他の人も同様のようで、全体の採点集計をみてもCの数はとても少ない。全解答者125名のうちC評価の総計は手元計算で400個だから、平均して1人当たり50題中3.2個しかつけていないことになる。残りはAかBかになってその差は1点しかない。なので最高点と最低点の差は1点ちょっとしかないということになるのだろう。
この場合、2つの作品のAの個数が1個違いの僅差の場合、点数差は0.008点となる。つまり0.01点差はほぼ評価1個の違いしかない。評点をAにするかBにするか迷うことはよくあることなので、これはもう指運みたいなものだろう。実際には小数点以下3桁の位で順位が決まっているところもあって、たとえば次回のシード権争いにかかわるところで、15位(2.495)、16位(2.486)、17位(2.481)なんかは気の毒なくらいの僅差だ。詰パラには年1回の順位戦というコーナーもあって、そこでは順位が大きな意味をもつので例外的に5段階評価を取り入れている。短コンも順位争いのコンクールなのだから、5段階評価にしてもいいのではないかなと思ってしまう。
それはともかく、今回の上位作をみると順当な作品が並んでいるなという感じ。1位の45番山路大輔さん作は、なんでこんな簡素な配置でこの絶妙な手順が成立するのか感嘆するしかない。ただ、最近この手のバッテリ組直しはよくあるので、この作者なら59香から58馬の筋は予想の範囲で難しさはそれほどない。かえって2位の34番中村雅哉さん作の方が作意が見えにくい点で手こずった印象が強い。個人的なイチ押しは楽しさ文句なしの50番渡辺直史さん作。これが9位か、もっと上にいくと思ったけどな。詰将棋になじみのない人もぜひ解いてみて、アッと驚いてほしい。
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