坂村先生の訃報
たまたま北大時報2020年4月号(PDF版)を見ていたら、名誉教授坂村貞雄先生の訃報が載っていてびっくり。知らなかった。本年3月6日ご逝去(享年94歳)とのこと。
坂村先生が現役で教授をされていた農学部農芸化学科農産物利用学講座は、ぼくの出身講座である同農薬化学講座の兄貴分にあたる研究室で、両者は名前はだいぶ違うが、研究内容や手法が似ていたために、交流が深く何かと行き来することも多かった。もちろん農産物利用学などの講義も聴かせていただいたし、さらにいえばぼくの学位論文の副査もしていただいた。
北大では農学部長を務められ、定年退職後は帯広畜産大の学長も務められた。長年ご活躍の後、引退後はたまたまうちのすぐ近所に居を構えられて、共通の知人である海外の研究者が来札したときに拙宅へお招きしたこともある。ここ数年は自宅を離れて近在の施設に入居していたとうかがっていたが、詳しい動静は存じ上げなかった。
その北大時報の記事なのだが、ご経歴の紹介文のなかに、「ご留学先ではマリンクロットの色素,シリシックアシッドをご研究され,帰国後はナス,フキの変色に関わる化合物の研究に携われました。」という一文があった。どなたがどの資料を基に書かれたのか知らぬが、これはなかろう。もちろんシリシックアシッドはケイ酸なので色素であるはずがなく、マリンクロットといえば有名な化学メーカーだ。ぼくも学生時代にマリンクロット社の褐色変型ビンにはいった目の細かいシリカゲル粉末をカラムクロマトによく使ったものだ。これには先生も草葉の陰で苦笑されていることだろう。ともあれ、謹んでご冥福をお祈りいたします。
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