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2020年7月12日 (日)

詰将棋パラダイス2020.7月号

 詰将棋パラダイス7月号は6月29日に到着。
 結果稿は4月号分で、今月も解答を送った分はすべて正解だった。詰棋校は短大16原田清実氏作が残念ながら無解。いろいろ考えて初手64馬しかないし、合駒は苦心した末詰むことを確認。22玉と逃げて桂成から31馬22桂合と調子よく追うところまでは行った。そこで香車を打つのだが、作者が作者だからここは遠くから打って中合が出るだろうと当然考える。しかしどうやっても上部に逃げられて詰まない。思考停止。というところがぼくの限界なんだよな。ここで最遠打19香か...。飛び道具は遠くから打つのは鉄則なのにそれが浮かばない。いやこれは作品がすばらしかった。作者自らお気に入りというだけある。
 今月号の目玉?は看寿賞発表だろうか。それぞれすばらしい作品が選ばれているのはわかるけど、こういうのはどうもあまりピンとこない。作品の評価は人によってさまざまであり絶対的尺度がない以上、どうしても説得力に欠けてしまう。スポーツでも陸上や競泳など絶対的尺度がある競技は納得できるけど、体操やフィギュアスケートなど審査員の主観がはいるものはどうも好きになれないのと同じだ。陸上の高跳び幅跳びはどうやって飛んだって距離が物を言うのに、スキーのジャンプは何で飛型点なんてものがあるのだろう。
 今回の受賞作にケチをつけているわけではもちろんない。今回のうち短編2作と中編1作はぼくもリアルタイムで解いてみていずれも感動したし、名作だと思う。ただ、それが年間最優秀かというと1作を選ぶのは難しいなと思うのだ。しかも受賞者の顔ぶれをみると常連者ばかり。作者ではなく作品に与えられる賞なのでそうなるのだろうけれど。まあ年に一度のお祭りだと思えば目くじらを立てるほどのこともないが、長々と誌面を23頁も費やすほどのものとは思えない。各選考委員の意見と委員長のまとめくらいで十分では。
 さて、今月の1作の紹介。その前に次の簡単なクイズに答えてみてほしい。下の図A、Bはある詰将棋の局面図で、一方が先手番、他方が後手番だ。どちらがどちらだろうか。


200712a200712b
どちらが先手番でどちらが後手番か?

 

 両者の違いは中央の歩の位置だけなので、ちょっと見にはAが先手番で54歩と突いて後手番になった局面がBだと思うだろう。ところがどっこい。よく見るとAの局面はは87馬で後手玉に王手がかかっている。これが先手番だとするとその1手前に後手は何をしたのだろうか。王手がかかっているのに放置して別の手を指すことはありえない。つまりA図は先手番ではなく、後手番の局面だということになる。すると必然的にB図が先手番となる。しかしそうするとB図の局面から先手は55歩と歩を後戻りさせないとA図にはならない。もちろんそれは不可能だ。
 その不可能をやってみせるのが作者の腕というわけで、このB図は詰将棋パラダイス2020年4月号詰将棋デパート2番馬屋原剛氏作の詰将棋(11手詰)の盤面で、A図はその詰上り図なのだ。B図からA図へ1手では無理なことを11手かけて実現し、しかもその手順が詰将棋として成立している。それほど難しくないのでぜひ手順を考えてみてほしい。古今に例があるかどうか知らないがこれはすごい。たった11手という短手数でこんなことができるのか。これは来年の看寿賞かな。

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