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2020年7月 5日 (日)

球磨川

 九州南部の大雨で球磨川が氾濫し、流域に甚大な被害が出た。昨年秋の台風による阿武隈川や千曲川の氾濫による大規模水害は記憶に新しいところだが、このところ毎年のように大雨による河川の氾濫、土砂災害などによる大きな被害が相次いでいる。テレビでは「これまで経験のないような大雨に警戒してください、命を守る行動をとってください」と繰り返しているが、地域のインフラがそれに追いついていなければ個人の努力には限界がある。
 今回もそうだ。日本三急流のひとつ球磨川は、九州南部の山岳地帯を源流に水を集めて人吉盆地を潤した後、一転して急峻狭隘な渓谷をつくって八代海まで一気に流れ下る。素人がみても大雨が降ったら人吉の先がボトルネックになって急激に増水するのは目に見えている。そんな川沿いに集落があり、しかも支流が流れ込む合流点付近のやや開けたところに密集している。大きな被害を出した特別養護老人ホームあたりもそうだ。どう考えても配置ミスとしか思えない。
 八代から人吉まで球磨川に並行するJR肥薩線は深い渓谷美を誇る景観路線で、ぼくも何度も通って好きな路線のひとつだ。しかし今回の大雨被害は甚大だ。いたるところで路盤流出や鉄橋崩落が相次いでいて、国土地理院の空撮画像を見るとそれもうなずける。同じ九州では日田彦山線が2017年の水害で今も不通で復旧困難とされ、もともと赤字路線だったことから鉄道の復旧は断念し、つい先日BRTシステムによるバス転換が決まったばかりだ。よもや観光路線である肥薩線が廃線になることはないだろうが、復旧には年単位の時間がかかることだろう。
 まだまだ全国に危ないところはいっぱいあるだろう。国土強靱化計画とかどこかの政府が言っていたようだが、地球温暖化のせいか大雨被害の拡大がこうも続くと、治山治水対策にもっと本腰を入れて取り組む必要があるのではないか。

200705
流出したJR肥薩線球磨川第一橋梁あたり(画像:地理院地図より)

 

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