日高本線
高波被害で2015年から5年以上に渡って鉄道運行が休止状態だった日高本線の鵡川様似間116.0キロは、JRと沿線自治体との協議の結果バス転換が決定的となっていたが、9月中にも最終合意がなされる方針とのことで、来年3月末での鉄道の廃止がほぼ決まったようだ。
100キロを越える長区間のうち実際に路盤流出等の被害があったのは途中の一部区間で、当初は離れ小島となった静内~様似間で列車運行がされていた時期もあった。バス転換に最後まで反対していた浦河町など被害区域外の自治体にしてみれば諦めきれないかもしれないが、もともと赤字路線であったうえに、その後の台風被害もあって復旧費が86億円にも達する試算となっては万事休すというところだろう。
ぼくは2011年に被害区間を列車で通ったことがあるが、確かに太平洋に直接面したギリギリの区間で、高波による路盤流出被害が出ても無理からぬところだと思った。復旧工事をするにせよ、応急処置ならともかく長期的に再発しないようにするにはよほどしっかりした護岸工事をするか、線路の山側への付け替えをしなければならないだろう。とても一営利企業となったJR北海道の手に負えるものではない。そもそも国土の輪郭を保持する護岸工事なんてものは一企業がするものではなく、国がやるべきものではないのだろうか。これが線路ではなく道路(国道)だったら当然国が復旧工事をして、道路を走るバス会社は一銭も出さないですむのだからおかしな話だ。
それはともかく、2011年に乗ったのは静内までで、その先の静内~様似間に乗ったのはなんと中学1年夏にさかのぼる。もう50年以上も昔だ。そのときは急行「えりも」で札幌から様似まで乗り通し、国鉄バスで襟裳岬経由で広尾へ抜けて、広尾からは廃止になった広尾線の夏季限定急行「大平原」に乗って帯広へ出た。ぼくは国内の旧国鉄、民鉄路線を完乗しているが、乗車区間のなかでもっとも古い記録なのがこの静内様似間だ(それ以前に乗車した区間はすべて再訪している)。静内へ行ったときに様似まで足を伸ばしておくんだったな、とつくづく思う。
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