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2020年8月27日 (木)

函館本線函館~小樽間問題

 お次は並行在来線問題。函館本線の函館~小樽間は北海道新幹線の並行在来線扱いなので、昨今の赤字ローカル線廃止問題の俎上には上がっていない。かといって廃止の心配がないというわけではもちろんなく、逆に新幹線開業時にはほとんどが経営分離されることが決定的だ。東海道線はもちろん、東北本線の盛岡以南のように新幹線開業後も並行在来線が残存している区間はあるけれど、新幹線が最近延伸した区間は、よほどの例外(博多~八代など)以外はすべて経営分離されているから、北海道とて例外ではあり得ない。
 北海道新幹線札幌延伸はまだ10年近く先の話だけど、それがほぼ決定事項であるからには早目早目の対処が必要になる。ということで、沿線15市町などで構成する北海道新幹線並行在来線対策協議会がすでに発足し話し合いが始まっている。このほどJR側から同区間のかなり詳細な収支データが開示された。それによると、同区間の特急利用者を除いた輸送密度は600人台で、釧網本線(513)や室蘭本線沼ノ端~岩見沢間(500)より若干多いていどに留まっていることがわかった。
 函館本線の当該区間は長大で全線を一律に論ずることは適当ではないので、今後の旅客流動調査と将来の需要・収支予測調査は、函館~長万部、長万部~小樽と両端部の函館~新函館北斗、余市~小樽に分けてする予定とのことだ。となるとおそらく函館~新函館北斗、余市~小樽は鉄道維持、それ以外は廃止というスキームに落ち着きそうだ。残る南線の新函館北斗~森と北線の倶知安~余市は三セクで残る可能性がどうかというところだが、南線側は新函館北斗までの経営を引き受けるであろう道南いさりび鉄道がどれくらい余力があるかだろうが、北線側は倶知安利用者のかなりが新幹線に移行するであろうことを考えると、鉄道維持は難しいところだろう。
 残る問題は新函館北斗(あるいは森)~長万部間だが、ここは貨物列車走行区間なので、路線を廃止するわけにはいかない。なんせ現在でも特急12往復普通列車6往復に対して貨物列車はダイヤ上24往復も設定されているのだ。普通列車6往復というのは現在の留萌本線(8.5往復)以下ですでに廃止になった札沼線石狩月形~浦臼と同じでしかない。新幹線が開業して特急がなくなったらもう貨物線といってもいいくらいだ。となるとJR貨物に経営移譲して貨物線として残すのがスジだが、基本的に路線をもたないJR貨物が維持管理できるとは思えないのでJR北海道に委託するしかないだろうから、路線はJR北海道に残して運行のみをJR貨物が請け負うすなわち上下分離ということになるのだろうな。でもそれならひょっとすると三セクで旅客列車運行だけを行うという目もあるかもな。なんせ路線維持費がかからないのだから。森~長万部は難しいにしても新函館北斗~森はありうるかもという気がする。

 

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