詰将棋パラダイス2020.9月号
詰将棋パラダイス9月号は8月31日に到着。すでにその内容の一部についてはフライング記事(無駄合問題)に書いてしまったので、それ以外の話。
なんといっても話題は藤井棋聖誕生。すでに王位も奪取して二冠となり八段昇段も果たしているが、さすがにそこまでは間に合わなかったようだ。お祝いとして藤井新棋聖作の懸賞詰将棋と祝賀曲詰5作が出題されている。フジイソウタなら6作だし何の字だろう(まだ解いていない...)。ぜひ解いて応募したいけど間に合うかな。
結果稿は6月号分で、6月は詰将棋学校はお休みなので点数計算の話はなく心穏やかに結果が見られる。といいたいところだが、あまりに惨憺たる結果で愕然ということになった。先月号の話のときに詰棋校は解答した分は5ヶ月連続誤解答なしなどと誇らしげに書いたが、6月号ではなんと5題もの誤解答(ヤン詰4番、順位戦A級2番、C級8番、やさしい大学院2番、3番)。不注意としかいいようがない。こんなことでは後半戦が思いやられる。気を引き締め直さねば。
さて、今月の1作の紹介。順位戦全23題中一番最後に解けた問題がC級5番小林尚樹氏作。これは難しかった。図面(A)を見ると、まず中央に鎮座する成桂(一文字表記は「圭」)が目をひく。短編詰将棋でと金以外の小駒成駒は珍しい。持駒が多いのでさらにこれを取って使うとは考えにくく、桂馬が4枚使用されているからこれは桂合を封じるためだろうな。しかしどこに合駒が出るのだろうか。
持駒に香車が2枚あるので54香、53香と連打してその成桂を53までひっぱってくれば、61歩成同角62金打で詰む。ところが53香を同龍と取られると、龍の力が強くどうやっても詰まない。なんかうまい手はないものか。ん~桂合はないんだよなと考えて91飛という鬼手に思い至る。同龍ととれば53香で簡単なので52玉と躱すことになるが、そこで54香と上から押さえる。いろいろ変化はあるが玉が上に上がれば93飛成と飛車をとって王手できるので詰む。というわけで同成桂と取る。それからもいろいろあって大変だけど結局、64桂、63金と順に打つといずれも成桂で取ることになって成桂の位置が63にくる。そこで51飛成と最初に打った飛車を捨てて同玉となった局面(10手目)がB図だ。初期配置(A図)との違いは55にあった成桂が63に移動しているだけだ。ここで53香と打てば龍では取れないので成桂で取るしかなく、最初の目論見通りに詰めることができるという仕組み。なんという構想だろう。ぼくは変化紛れの深い難解作は嫌いなのだけど、さすがにこれには感動するしかない。
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