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2020年10月24日 (土)

がんばれ中井広恵女流六段

 今日も将棋ネタになってしまった。中井広恵女流六段が11月5日にはじまる第28期倉敷藤花戦に女流史上最年長挑戦者(51歳4月)として出場するのだそうだ(スポーツ報知Web)。これは知らなかった。中井さんといえば清水市代女流七段と二強として1990-2005年くらいの女流将棋界を席巻した実力者。タイトル獲得19期は清水七段、里見香奈女流四冠に次ぐ第3位だ。

 タイトル初挑戦は1982年(13歳)だというから38年前のことで、これはタイトル挑戦最年少記録だ。昭和、平成、令和の3時代でタイトルを取る可能性があるのは、棋界全体でも中井、清水、谷川九段、福崎九段、南九段の5人しかいないというからすごい。実現性を考えたらもう中井さんか清水さんにしかできない偉業だろう。対するタイトル保持者の里見四冠は難敵だが、対戦成績は6勝6敗の五分で、里見さんに五分以上の成績を残している女性は、他に西山朋佳三段(9勝7敗)だけだというから立派なものだ。

 将棋界では、現在進行中の竜王戦で羽生九段(50歳)がタイトル獲得100期に向けて豊島将之竜王(30歳)に挑戦中で、話題をにぎわしている。男性棋士同様女流も強い若手が台頭してきて、一時代を築いた中井・清水の二強もすっかり過去の人になりつつあると思っていたところへこの快挙。切りのいい20期目に向けて羽生世代ともいえる中井さん(51歳)が里見倉敷藤花(28歳)に挑戦という竜王戦と同じような構図になっている。北海道稚内市出身、道産子棋士として中年のスターとしてぜひとも頑張ってほしいものだ。

 中井広恵さんといえば、大ファンとして知られる詰将棋作家相馬康幸さんの「ヒロエ」詰を紹介しないわけにはいかない。これは初期盤面「ヒ」、途中局面「ロ」、詰上り「エ」の字形が現れる三段曲詰という傑作で、1987年度看寿賞受賞作だ。手順はいたってやさしい17手詰だが、つくるのは大変だろう。

201024
相馬康幸氏作「ヒロエ」詰(報知新聞1987年3月23日)
初形(左図)、10手目(中図)、詰上り(右図)、杏は成香

 

 

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