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2020年12月13日 (日)

背番号1の終焉

 某投手にとうとう引導が渡されたか。じゃなくて、1%の可能性を賭けて12月7日のプロ野球合同トライアウトに参加していた新庄剛志氏に、今日までに残念ながらどこの球団からもオファーがなく、本人が復帰断念を表明した。

 それにしてもファイターズの背番号1のユニフォームが似合ってたな。今の背番号1って誰だっけと思わず考えてしまった。もちろん斎藤佑樹選手で、その前が陽岱鋼選手、その前が森本稀哲選手で、その前が新庄剛志選手だった。もうずいぶん昔のはなしだが、現役引退から14年経ってもスター性は健在だった。

 トライアウトで軽快な動きを見せて、タイムリーヒットまで打ったものだから、外野は大喜びで、特に日本ハムにはぜひ獲るべきだという声が集まった。まあ、冷静に考えれば限られた支配下登録選手数に入れるとなると難しいし、そもそも二軍においといても意味ないので、さらに限定される一軍枠となれば連続Bクラスから優勝を狙おうかというチームに余裕はないだろう。チャンスで代打新庄なんて場面は確かに盛り上がるだろうけれど、シーズン通してそれが続くわけもないし。ただでさえ成績不振の責任を誰もとらず、吉村GM、栗山監督続投で風当りが強いのに、そんなことしたらこんどは受け狙い作戦かと揶揄されかねない。いつの世も外野は無責任なものだから。

 新庄の現役最後の2006年シーズンは北海道民にとって忘れられない年だった。北海道移転3年目にしてリーグ優勝、そして日本シリーズで中日を破っての日本一。雪の舞う初冬の札幌駅前通りの優勝パレード。いやあ、あんな時代もあったねと、まさに時代を感じてしまう。

 そしてあれもこれも新庄のパフォーマンス抜きには考えられない。現役復帰の夢は叶わなかったけれど、たぶん現実の厳しさは本人が一番わかっていただろう。暗いニュースばかりの毎日に、前向きな話題でわくわくさせてくれた一週間、十分存在価値は発揮してくれたよ。お疲れさま。

201213
photoACより

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