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2020年12月 7日 (月)

豊島竜王初防衛

 昨日、将棋の第33期竜王戦の第5局で豊島将之竜王が挑戦者の羽生九段に勝って、4勝1敗で竜王位の防衛を果たした。豊島二冠(竜王、叡王)は6度目のタイトルで防衛戦で初めての勝利となった。挑戦者の羽生善治九段はタイトル100期目の大記録がかかる勝負だったが、残念ながら敗退となった。

 2年前くらいに豊島さんが満を持してタイトルを取り始めたときは圧倒的に強くて、これから豊島時代がくるのではと思っていたがさにあらず。挑戦手合いでは負けなしなのに、防衛戦でことごとく負けて保持するタイトルがくるくる変わるという状態だった。不思議なものだ。

 同じタイトル戦を戦うのでも挑戦と防衛では立場が違うし、精神的にもよし行くぞと負けられないという違いがあるのかもしれない。将棋の8大タイトル戦のここ3回のタイトル保持者を見てみると、次のようだ。

 竜王 広瀬→豊島→豊島
 名人 佐藤天→豊島→渡辺明
 王位 豊島→木村→藤井聡
 王座 斎藤慎→永瀬→永瀬
 棋王 渡辺明→渡辺明→渡辺明
 叡王 高見→永瀬→豊島
 王将 久保→渡辺明→渡辺明
 棋聖 豊島→渡辺明→藤井聡

16回のタイトル戦で挑戦者の11勝5敗と、棋王戦以外はどんどんタイトルホルダーが代わっているのがわかる。5回の防衛成功のうち3回は渡辺明三冠で、あとは豊島竜王と永瀬拓矢王座が1回ずつ。豊島二冠は防衛戦1勝3敗なのに、渡辺三冠は3勝1敗と強い。その1敗の相手が藤井聡太二冠だからさすがだ。ひところの羽生九段のように圧倒的な強者がいない群雄割拠時代といえるのかもしれない。

 そういえば、9年前のブログに若武者対決というエントリでNHK杯の豊島六段-佐藤天彦六段戦の話を書いたことがある(段位は当時)。注目の2人だったのだ。このときは豊島さんが勝ったが、その後佐藤さんは名人に駆け上がり、一昨年の名人戦で両者が顔を合わせて豊島名人が誕生したのだった。あ、別に先見の明を誇っているわけではないです(笑)。

 

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