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2021年2月12日 (金)

清水の舞台から...

 飛び降りる思いで4億円を支出するのは経営難にあえぐJR北海道。釧網本線の釧路~標茶間の観光列車「SL冬の湿原号」の牽引機(C11171)の全般検査と客車5両のリニューアルを行うことを決定した。機関車の全検が1億円、14系客車の改修と発電エンジン交換に3億円の計4億円のお金がかかる。「経営難の当社にとっては清水の舞台から飛び降りる思いだが、SLは1度途絶えてしまうと、運行技術の継承もできなくなる。地域からも運行継続の強い要望があった」というのが島田社長の弁。全検は通常4年ごとのところを特例で8年ごとになっているので、これであと8年は運行が約束されたことになる。単独では維持困難な線区とされている釧網本線もしばらくは安泰だろう。

 赤字だからといって緊縮ばかりではジリ貧になるのは目に見えているので、こういう思い切った攻めの姿勢も大事だよな。過疎化と人口減で旅客収入は減る一方なのはいかんともしがたいから、観光需要で少しでも増収を図るのは特に北海道では経営再建のカギになるだろう。道東の釧路湿原、阿寒、知床、オホーツクの流氷の観光スポットを結ぶ釧網本線は、営業収支の数字以上のポテンシャルをもっているのだから、もっと積極的にテコ入れしてはどうかと思う。

 いまは、釧路口の「SL冬の湿原号」と網走口(網走~知床斜里)の「流氷物語」が走っているけれど、その間の接続がおそまつで、下り(網走発)はつなぐ列車があるけれど上り(釧路発)はない。冬の道東観光に行く人は釧路から網走までどうやって移動しているのだろう。全線SLでとはいかないだろうが、標茶~知床斜里間を接続するシャトル列車を運行すれば需要あるんじゃないかな。それともSL目当ての人と流氷観光の人は客層がずれているのだろうか。

 

210212
JR北海道ニュースリリース「「SL冬の湿原号」の現状と今後について」より

 

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