肥前山口駅の改称
JR北海道で旧国名「石狩」を冠した駅がなくなっていくというエントリをつい先日書いたばかりだが、このほど西のはしJR九州でも由緒ある旧国名駅の改称が決定した。佐賀県にある肥前山口駅が、2022年秋の九州新幹線長崎ルートの部分開業にあわせて江北駅になる。
北海道の国名は明治以降だから新しいが、道外の国名は旧藩時代のものだから歴史的にも重みがずいぶん違う。肥前国といえば佐賀鍋島藩のお膝元であり、その肥前を冠する肥前山口駅は佐賀県内、いや九州内でも重要な位置にある。といっても鉄道ファン以外にはたぶんほとんど知られていないだろうが。肥前山口駅は長崎本線と佐世保線の分岐駅であり、以前は長崎行きの列車と佐世保行きの列車がここで分割・併合を行っていた。特急「かもめ・みどり」しかり、古くは急行「雲仙・西海」、「いなさ・弓張」などがそうだ。
開駅は1895年と古く、当時の山口村にあったので山口駅とされていたが、1913年に山口県の山口駅の開業とともに、肥前山口駅に改称された。つまりいまの山口駅よりこっちの方が古いのだ。その後、山口村は合併によって現在の江北町となったため、駅名と自治体名が一致しなくなり、それが今回の改称につながったということだ。しかし、佐賀県江北町といっても近隣の人以外は知らないだろう。肥前山口駅のほうがまだ知名度あると思うけどな。まあ、だからこそ改称して町のイメージアップを図ろうとしてるんだろうけど。町としての意向はともかく、地域住民の思いはまた別のようで、地元では「肥前山口」駅名を守る会という有志の会が結成されて、「ゆかりのある駅名を残して」と6400名を超える署名を集めて町長に渡したそうだ。
長崎ルートの武雄温泉~長崎間の開業はもう来年秋なのか。そうなると、博多方面からは在来線特急で武雄温泉まで行って新幹線に乗り換えることになる。つまり長崎方面と佐世保方面の分岐駅は武雄温泉駅に移る。そのとき優等列車の分岐駅としての機能を終えた新・江北駅はどうなってゆくのだろう。
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