詰将棋パラダイス2021.4月号
詰将棋パラダイス4月号、到着日は4月2日。結果稿は1月号分で、新年度のスタートは快調に短大まで全題正解のつもりだったのが、なんと小学校の5手詰を間違えた。書き間違いとかではなく、正真正銘の誤解答。これにはぐうの音も出ない。それについては今月の1作で。
それとは別に結果稿でちょっと気になったことが2点。ひとつは小学校1番の3手詰。初手が10通りの応手がある焦点打という記録作で、どれで取っても1手詰なのだが、ひとつだけ最終的に駒の余らない取り方があるという仕かけ。もちろんその取り方(同桂左)だけが正解になる。ここで右側の桂馬で取る手もあって(同桂右)、それは駒余りになるので不正解だ。なので「同桂」だけで「左」と限定しない解答は厳密には正解ではないのだが、担当者は「今回は正解にしました」と救済している。ぼくも時折り書き間違いを救済してもらうことがあるので、これはこれでありだとも思うけど、ここは作品の狙いに係わる部分なので、厳しいようでもきちんと区別すべきではないかという気もする。
ふたつめは短大2番。作意は洒落た突き歩による開き王手の19手詰なのだが、13手目に88の桂を96に跳ねて開き王手をしたときに、玉を逃げずに77歩と焦点の合駒をする手があり、同角と取らざるをえなくて、以下作意とは別手順の21手駒余り詰みになる。この77歩合はさすがに無駄合とはいえず有効合だろうから、つまり2手変長だ。これまでの本誌の例では入選取消とされてもおかしくないレベルだが、担当者は「やや濃いめのグレー」と容認している。上の小学校の例も考え合わせると、これらはすべて担当者の裁量範囲内というスタンスなのだろう。まあ、それが本誌の方針なのであれば外野がどうこう言う問題ではないのか。
さて、今月は2020年下期の半期賞の発表。受賞作をみるとまずは順当に選ばれたなという感想。高校の太刀岡さんが初受賞というのは意外だ。確か短編コンクールの優勝歴もあったはずなのに。解答の部では、ぼくは小学校と中学校だけ全題正解だった。高校も惜しいところだけど、今回は2題不正解だった。半期25題すべてを正解するのはぼくのような粗忽な人間にはなかなか簡単ではない。
今月の1作は、自戒の意味も含めて最初に書いた小学校2番中村宜幹氏作。一見して47玉に83角と打てば詰むとわかる。56に合駒されても同角成と取れば46へは逃げられないからだ。ところが8筋には87龍が間接的に効いているので、86龍が動けば83角を抜かれてしまうので要注意。初手75角のような手では47玉ならいいが、66歩合とされると同龍と取らざるをえず、そこで47玉とされると83角が打てないという寸法。ははあ、ならば初手84角と打つ手が龍の効きを遮って限定打になるのだな、と考えると作者の陥穽に嵌るという仕かけ。75銀合66歩合という二段合でまさかの逃れとは。実はぼくもさらっと解いたものの、作者の名前を見てこれは要注意だぞとは思っていた。後で見直そうと先へ進んで、短大の後半がやけに難しくてそっちに時間が取られたせいで、ここを見直すのをころっと忘れていたというおそまつ。まあこれは引っかかる方が悪い。いっそ爽快だ。しかしご同類が39名もいたとは(笑)。
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