保線作業用車両の逸走事故
またローカルなニュースで恐縮だが、JR北海道の「保線作業用機械がブレーキが機能しない状態で線路を走行した」という事件が発生した。6月7日深夜に函館本線の仁山駅付近からブレーキが効かない状況で2駅先の七飯駅付近まで走行して停止したということなのだが、ニュースサイトの記事では今一つ状況が理解できなかった。JR北海道のニュースリリースに事実関係の報告が載っていたのでそれを読んでみたが、それでも不審な点がいくつか残った。
函館本線の仁山駅前後は20.8~20 ‰の急勾配で函館方面へ下り坂となっている。そこを函館方面へ走行中の保線作業用機械のブレーキが機能しなくなった。たしかに一大事だ。しかし、ニュースリリースによれば、当該車両は、軌道モーターカー1両と保線作業用機械2両の3両編成だ。原因は調査中だが砕石散布用保線作業用機械のブレーキ不具合によるものと推定される、と書かれている。工事用車両だから一般の列車とは違うにしても、ブレーキは先頭のモーターカーによって制御されているのだろう。牽引されている作業用機械のブレーキが不具合起こしても編成全体が止まらなくなるのだろうか。エア配管で総括制御されている全体が圧力低下で機能しなくなったのなら大変だが、そんなことにならないように保護機能があるはずだろう。記事ではまったくアンコントローラブルになったように読めるが、もちろん作業員が乗っていたのだから、別回路の手動非常ブレーキだってあるはずだ。一時は時速80キロまで達したというのがなんとか七飯駅手前で止まったということだから、下り勾配が終わって七飯手前のゆるい上り勾配で止まったのだろうが、非常ブレーキを扱ってもそれが限界だったのか。そのあたりの説明がまるでない。
もうひとつ、途中安全確保されていない踏切を2カ所通過したとある。正常な工事用編成が通過したのだから踏切が作動しないというのも解せない。軌道モーターカーでは踏切回路の短絡ができないのだろうか。だとしたら、いくら深夜とはいえふだんでも工事車両通過時は踏切に安全要員を配置しなければならないことになるし、ありえないと思うけど。そもそも旅客列車が終了した深夜だった云々という説明もどこかにあったが、ただでさえ貨物列車の多い区間だし深夜とはいえ列車設定はあるだろうから、軌道が閉鎖されていたわけでもなかろう。
まあ一般人にはどうでもいい瑣末事といわれればそのとおりだけど...。
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