背面ばか詰の罠
詰将棋パラダイス6月号が届いて結果稿をパラパラ見ていて愕然。全体の感想は追って書くとして、何より自分でもびっくりしたのがフェアリーランドの解答間違い。3月号のフェアリーランドはなんと全問解けて、これは全題正解者に名前が載るかなと楽しみにしていたのに、この勝手読みには呆れた。
その問題は、5番のさんじろう氏作背面ばか詰5手の作品。ばか詰は前にも書いたことがあるが、協力詰ともいって、攻方受方両方が協力して詰むように進める問題。背面というのは、攻方と受方の駒が背中合わせに隣接しているときにお互いの駒の効きが交換されるという特殊ルールだ。この問題(図A)、ぼくが考えたのは43銀と王手して44飛と受ける。銀と飛が背中合わせなので銀は飛の動きになるので王手ではなくなる。そこで44銀成と飛を取る。43銀は飛の動きだから下に動けるので飛を取ることができ、成銀になるので王手になる。玉方は45銀と打って受けると成銀が銀の効きに変わるので王手がはずれる。そこで64飛と打って詰み、というもの(図B)。
44の成銀は銀の効きなのでこれで詰んでいる、どうだといいたいところだが...。結果稿の解説を読んで気づいたことが、たとえばここで玉方が65角と打ったらどうだ、と。あ。背面に駒を打てば効きを変えることができるので、飛車が角に変えられて王手ではなくなるんだ、つまり詰んでないというおそまつ。全然気づかなかった。お恥ずかしい。ちなみに正解は、43銀53玉64銀不成65桂52銀跳不成の5手という全く違うもの。すごい手順だ。フェアリーの奥の深さを改めて思い知らされた。まったく全題正解など10年早いわ。
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作者のさんじろうです。感想ありがとうございます。実際に解いた解答者の生の声は貴重です。本作は詰上がり形が主眼です。最終2手を生かすために何通りもの図を経て本図にたどり着き投稿しましたが、どうも上手くなかった。改善の余地があり逆算の失敗というのが現在の結論です。精進します。今後ともよろしくお願いします。
投稿: さんじろう | 2021年9月23日 (木) 08時29分
コメントありがとうございます。
いや銀跳びの詰上りには驚倒しました。ぼくの勝手読みでは73銀63歩が意味不明なのでおかしいと気づくはずでした。
いつもバラエティに富んだ作品で楽しませていただいております(双Q5桂詰は手が出ませんでしたが...)。
投稿: junkchem | 2021年9月23日 (木) 15時14分