詰将棋パラダイス2021.8月号
詰将棋パラダイス8月号、到着日は8月2日。結果稿は5月号分で、今月は無事に短大までは全問正解。大学はちょっと複雑ですよと担当子が書いていたので、はなから解いてみていない。解いた中ではなんといっても高校21がおもしろかったので後で紹介するとして、問題は同じ高校の25番。これが難問。月末まで毎日考えても解けなくて、ぎりぎりにやっとこ解けた。初手32角打と打ちたくなるが33玉と逃げられて全然続かない。さりとて豊富な持駒を使って13金同玉33飛とか攻めても詰まない。結局は32角打にもどってきて33玉にはと金の効きに36香が心理的に打ちにくい。その先の47香もまた同じ。こんな手ならいやだなあというのが全部正解なのだから恐れ入る。これ、高校だから粘って解いたけど、短大だったらいいかげん諦めていたと思う。担当子の評によれば「卒業試験の趣きあり、末尾を飾る作にふさわしい力作といえよう」とのこと。そうか担当の仲西さんはこの号で退任だったのだ。最後の置き土産、なんとか解けてよかった。
さてその高校の担当者が先月号から小林(尚)さんに交代した。今月号の担当のことばに「心に響いた作品を順不同に出題しています」とある。ん、順不同...?。あー、手数順じゃないんだ。それを早く言ってよねという感じ。実は先月号を解いていて変だなと思っていたのだ。どっか見落としがあるに違いないとずいぶんあれこれ頭を絞ったのだけれど、どう考えても他の手順は見つからない。これはこういう配列なんだ、担当者も代わったことだしそういうものなのかと半信半疑で解答を送付した。確かに手数順に並んでいますとはどこのコーナーにも書いていない(たまに書いてあることもある)のに、ほとんどは手数順に並んでいるので、暗黙の了解のように思ってしまっている。それは思い込むほうが悪いと言えばその通りだけど、上級校ならまだしも高校は小中学を解き終わってちょっと挑戦してみようかなという初中級者もいるだろうし、そういう方針でいくならば担当の代替わりの言葉にひとこと注意書きがあってもよかったんじゃなかろうか。
あとは、ちえの輪雑文集が解答王竹中さんの「詰将棋を速く解くためのコツ」。おーこれはと興味津々で読んだのだけど、んーなんか違うんじゃないかなと期待外れ。要はとにかくたくさん解いてパターンを脳内に蓄積しておけば、見てすぐに解けるとのこと。そういえば竹中さんは先月号の看寿賞選考経過でも「ひと目」を連発していて、それはあなただからでしょと突っ込みながら読んでいたものだ。と思ってタイトルを見直したらちゃんと「速く解く」と書かれていた。確かに、持ち時間の切迫した指将棋の終盤や、解答選手権のような制限時間がある場合には「速く解く」必要性があるだろう。ぼくは詰将棋をパズルとして楽しみで解いているだけのヒマ人なので速く解く必要はなく、うんうん考えて解答にたどりついて、おお解けたと感動するのが楽しいので、逆に速く解けてしまっては詰まらない。だからピンと来なかったんだ。まあ人それぞれというしかないが。
あとはまだまだ書きたいことがあるが長くなるので駆け足で。春霞賞という「もっとも構想作として優れた作品」を選ぶ賞の発表があって、受賞作の顔ぶれをみるとぼくが解けたり解けなかったりして感心した作品ばかりが並んでいる。ここで紹介したものもいくつかはいっているし、こういうのがぼくの好みなんだなと改めて思ったし、そういうのを評価する賞というのに共感しきり。将棋パズル雑談と推理将棋は前回はわりと易しくて全問正解できた。そうだ、フェアリーランドも初めて全問正解を達成。これはうれしい。
今月の1作は、最初に書いた高校21渡辺直史氏作13手詰。A図が初期局面でB図が12手目まで進んだところ。違いは26香が攻方から玉方に変わっているだけだ。そのおかげで1手目では詰まない46角成という手で詰んでしまう。1手目と13手目の局面で違いは香車の向きだけ、そして1手目も13手目も同じ46角成という完璧な構成。驚くしかない。
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