森町の悲運
来年3月のダイヤ改正の概要がJR北海道から発表され、それによると花咲線(根室線)1駅、宗谷線1駅、函館線5駅を廃止の方向で関係自治体と協議中とのことだ。具体的な駅名が挙がっていないが、昨今の状況や地方紙の取材によって、順に糸魚沢、歌内、本石倉、石谷、銚子口、流山温泉、池田園の各駅だろうと報じられている。
このうち函館線の5駅はいずれも道南の森町・七飯町に集中しており、ちょっと考えさせられる。函館線の小樽~新函館北斗間は単独では維持できない線区には指定されていないが、それは営業成績が良いからではなく、2030年度の北海道新幹線札幌延伸開業に伴って経営分離される予定になっているからだ。この区間を廃止するかあるいは何らかの形態で運行するかについては、地元自治体を交えての議論が進められている。このうち長万部~新函館北斗間は貨物の大動脈なので路線の廃止はありえないが、旅客列車が走るかどうかというと見通しは明るくない。この区間では2017年に北豊津(長万部町)、桂川(森町)、姫川(同)、東山(同)の各駅が廃止になったばかりだ(北豊津と姫川は信号場化)。新幹線延伸まで10年を切って、旅客営業の廃止に向けた着々としたJRの布石とも思える。
なかでも森町は人口1万5千人近い沿線では大きな町で、森駅には札幌函館間の特急「北斗」が全列車停車する。渡島管内の中心函館への旅客需要はそれなりにあるだろうに、森町には新幹線の駅ができないので、管内でより遠い八雲町や長万部町(いずれも新幹線駅ができる)よりも不便になってしまう。そのうえ町内の駅がこれで5駅(本石倉、石谷、桂川、姫川、東山)も廃止になることになる。新幹線のメリットなどなにもないのに。これでは町民ならずとも釈然としない。森駅といえば全国区の知名度を誇る名物駅弁「いかめし」だ。ただ、今やほとんど駅売りはなくなったともきく。時代の流れということなのか。
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